初夏の山で楽しむ樹木・花5選!どのような場所で見られるかも紹介 | 森林テック
コラム

初夏の山で楽しむ樹木・花5選!どのような場所で見られるかも紹介

普段何気なく足を踏み入れている山林にも、少し周りを見渡すと初夏ならではの光景があります。

「これから初夏の季節、何か山で楽しめる木々ってあるかな?」

「どんな樹木の花が咲くのかな?」

などと考えている人もいるのではないでしょうか。

知識がない状態だと山林はどこも同じに見えがちで、なかなか違いがわからないものですよね。

そこで本記事では、初夏の山で楽しめる樹木や花を5つ紹介します。

それぞれの樹木を見つけられる場所や、樹木や花の特徴も解説するので、初夏に山へ行く機会のある方はぜひ読んでみてください。

初夏の山の特徴

初夏の山は様々な木々の花がよく見かけられます。

気候的にもまだ比較的涼しく、散策などにももってこいの季節です。

緑に覆われた山の中では、初夏に咲く花はひときわ目を引きます。

散策や花の観賞を楽しむのに適した季節といえるでしょう。

初夏の山で楽しめる樹木・花5選

初夏の山を散策する場合、以下の樹木や花を楽しめます。

  1. 藤(フジ)
  2. 笹百合(ササユリ)
  3. 桐(キリ)
  4. 山躑躅(ヤマツツジ)
  5. 木天蓼(マタタビ)

どのような場所に生えているかも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1.藤(フジ)

フジはつる性の植物で、春先から初夏にかけて紫色の花を咲かせます。

他の樹木に巻きつきながら成長していく特性があり、山中のさまざまなところで見かけられます。

山中にあるフジは「ヤマフジ」とも呼ばれ、巻き方が右巻きになっているのが特徴です。

藤棚では左巻きの「ノダフジ」を見かけることもあるため、違いを探してみるのも良いでしょう。

林業としては、フジは取り除かれる対象の植物です。

その理由は、育てたい木にフジのつるが巻きつくとフジのつるが食い込むように成長してしまい、木材としての価値が低くなってしまうからです。

また、一般的に広葉樹の山林では、刈払い機で林地を刈り払うことはしません。

その結果、広葉樹林には大きく成長したフジのつるが残っている場合が多く、つるの直径が10cmを超えるようなものもあります。

成長したフジのつるは頑丈で、吊り橋を作れるほどの強度を誇る特徴もあります。

2.笹百合(ササユリ)

ササユリは5〜7月頃に淡いピンク色の花を咲かせる、別名「ヤマユリ」とも呼ばれる初夏に楽しめる植物です。

葉が笹の葉に似ていることから、ササユリという名がついています。

ササユリの多くは西日本に分布していますが、関東地方や東北地方でもヒメサユリといいう似かよった品種も見かけられます。

明るい場所でも暗い場所でも咲いていることがあり、また、ササユリの花は大きく目立つことから山林であればどこでも見つけられる可能性があるでしょう。

ユリの花特有の匂いもするため、山中でいつもと違った匂いがする場合は、そばにササユリが生えているかもしれません。

下刈りの作業中にササユリを見かけた場合は、刈らずに残しておく方もいらっしゃるほど親しまれている花です。

初夏の山林に出かけた際は、ぜひ足元を探してみてください。

3.桐(キリ)

タンスで有名な樹木であるキリは、初夏に淡い紫色の花を楽しめます。

昔はタンスなどをはじめとした家具の材料として有効活用されていたため、山中でも名残として生えている場合があります。

キリの木材は防湿防虫効果があり、昔から着物などを保管するのに最適な素材として扱われてきました。

成長するのが早いため、女の子が生まれたときには庭にキリの苗木を植え、結婚をする際に成長したキリで作った家具とともに嫁がせたといいます。

もし、キリの木にフジのつるが絡んでいる場合は、どちらも紫色の花を咲かせ開花時期も重なることから、両方の花をいっぺんに見られるでしょう。

4.山躑躅(ヤマツツジ)

ヤマツツジは赤色から赤紫、橙といった多様な花色を見せる、初夏を代表する山林に咲く花です。

日当たりの良い尾根などに多く見かけられます。

尾根は散策の道がつけられていることが多いため、比較的見かけやすい花といえます。

一箇所から多くの幹を出し群生するため、一面ヤマツツジだらけという場所も珍しくはありません。

1つの株から無数の花を咲かせるため、山をツツジの花色に染め上げます。

尾根で見かけた場合は、ヤマツツジの色と遠くの景色が良い絵となるため、絶好の撮影ポイントとなるでしょう。

緑の多い山にとってヤマツツジは、山に彩りを与えてくれます。

花の美しさから、一般家庭にも多く植えられているのがツツジ類です。

山を訪れた際は、ぜひ探してみてください。

5.木天蓼(マタタビ)

つる性の植物であるマタタビは、初夏の林縁で見かけられ、7月頃にきれいな白い花を咲かせます。

北海道から九州まで広く分布していて、花が咲く時期には葉の半分ほどが白くなる特徴があります。

花の香りが強く、下向きに花を咲かせる特徴もあります。

ただし、花は葉の陰に咲いていることから、マタタビの花を観賞する際は白い葉を目印に探すと良いでしょう。

白くなったマタタビの葉

まとめ

初夏は木々の活動が活発化し、山林内には力があふれています。

花を咲かせる樹種も多く、散策などでは景色とともに楽しめるでしょう。

もし山林に入る場合は、近くで伐採作業などを行っていないかチェックし、危険を避けながら散策を楽しむようにしましょう。