ドローン写真測量とドローンレーザー測量のメリット・デメリットを解説
リモートセンシング

ドローン写真測量とドローンレーザー測量のメリット・デメリットを解説

地上よりも広範囲に測量でき、飛行機よりも費用を抑えられることから注目のドローンによる測量。

人が立ち入りにくい山間部や危険地帯での測量のほか、近年では形や形状を立体的に表現するための3Dモデル作成用のデータ収集手段としても注目されています。

この技術は、使用する機器の違いにより「ドローン写真測量」と「ドローンレーザー測量」の2種類が存在します。

この記事では、それぞれのメリットやデメリット、活用法について解説します。

ドローン写真測量について

ドローン写真測量とは、ドローンに取り付けた光学カメラにて撮影した航空写真について、位置情報と写真の特徴的な箇所をつなぎ合わせて地形情報を取得する方法です。

写真の繋ぎ合わせの際には、撮影範囲を重複させて歪みを補正することで立体的なデータも取得可能になっています。

基本的にはカメラを利用する仕組みならではのメリット・デメリットがあるのが特徴です。

それぞれについて以下に解説します。

メリット

ドローン写真測量の特徴はなんといっても価格の安さです。

カメラが標準搭載されているドローンを用いれば、ある程度の測量であれば追加コストなしで行うことが可能です。

場合によっては数百万円ほどの価格が必要になることもありますが、それでもレーザー測量と比べると費用をかなり抑えることができます。

また使用するドローン機体もレーザードローンは大型ドローンが必要なのに対し、中型のカメラドローンでも写真測量を行えるものがあるのでコストを抑えることができます。

またカメラの写真を用いる仕組みであるため、色彩がはっきりわかるのも大きな利点です。

建物の汚れなどを明確にしたい場合には向いている方法と言えます。

デメリット

ドローン写真測量の場合は、上空から見たままの映像となるために地表までに樹木などの障害物がある場合はデータの情報量が少なくなってしまう(地形データを取得できない)ことが大きなデメリットです。

またカメラで撮影した写真データ同士についてそれぞれの特徴ある箇所を繋ぎ合わせる形で測量するため、撮影する場所がのっぺりとした表面である場所ではデータが不正確になりがちで向いていません。

さらには塗装の塗られていない金属製のオブジェやガラス張りの建物などについては、反射によって写真ごとに写り方が異なることが想定されるほか、水についてもよく反射するため写真撮影はしにくい

これらについてもドローンによる写真測量に不向きであることには留意しましょう。

活用シーン

ドローン写真測量は、遮蔽物が少なく地表データを取りやすい場所の測定に向いています。

具体的には以下のような利用シーンが考えられます。

  • 耕作放棄地の現状調査
  • 平地にある田畑の利用計画の作成
  • 道路の補修箇所の確認
  • 土木工事の現状把握
  • 林相の把握

またある程度の大きさのドローンを購入すれば実施できるため、予算に限りのある中小企業などが測量作業を実施する場合にも採用されることが多いです。

近年ではベンチャー企業などが、インフラ補修などに対してドローン関連の事業で参入する場合にも多く活用されています。

このほか、デジタルツインなど色合いが必須となる3Dモデルの作成、オルソ画像の生成をする場合など色情報が必要な場合にも写真測量が適しています。

※オルソ画像について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

ドローンレーザー測量について

ドローンレーザー測量とは、ドローンに3次元レーザースキャナ(LS)を取り付けてレーザーを照射することで地表を測量する方法です。

地表で反射したレーザー光線の情報を元に地表との距離を測定し、ドローンの位置情報と合わせて地形情報を取得し、測量を実施します。

ドローンレーザー測量の特徴は、総じて前述した写真測量と対照的になるものが多いといえます。

メリット

ドローンレーザー測量のメリットは、カメラの光源に比べて地表に光が達しやすいため、森林など地表に遮蔽物が多い場合でも詳しい情報を取得しやすいことです。

また取得できるデータの量も多く、より緻密なデータを取得することもできます。

その精度はパルス(反射情報)を高めることでデータ制度をさらに上げることができます。

さらには水の影響を受けないグリーンレーザーを用いれば、透明度さえ良ければ上空から水底まで光を到達させることができるため、陸上と水部を同時に測量できます。

デメリット

ドローンレーザー測量のデメリットとしてコストの高さが挙げられます。

必須機材であるレーザースキャナ自体は数100万ほど、中には1000万円以上するものもあります。

またカメラに比べて重いため、ドローン機体も100万円以上の費用がかかる大型機を利用する必要があります。

ドローン事業に参入しようとしている会社にとっては、写真測量に比べて初期費用がかかるため参入しにくいといえるでしょう。

またレーザースキャナは距離や反射強度といった情報を持った点の集まりを取得しますが、カメラ付きのレーザーで取得したもの以外は色情報を含んでいません

建物のサビによる劣化確認など色が重要な測量には不向きといえるでしょう。

活用シーン

ドローンレーザー測量が利用されるのは、主に遮蔽物が多い場所で業務を実施する場合です。

具体的には以下のような利用シーンが考えられます。

  • 伐採前の人工林の育成状況確認
  • 森林の近くにある電線や通信機器の状況確認
  • 地形データの取得

またグリーンレーザーを用いる場合は、水と陸両方の情報が必要な、河川や海岸線、港湾インフラの維持管理などのシーンで活躍しています。

写真測量・レーザー測量の双方が可能なmapry M1

前述したようにドロ-ンによる写真測量とレーザー測量にはそれぞれ異なるメリット・デメリットがあり、どちらを利用するべきか悩む方もいらっしゃるでしょう。

特に森林管理業務の場合はうっそうとしげる木々の影響で見えにくい山間部の地表の情報をレーザーで確かめたい場合もあれば、樹冠による樹種の判別などでカメラによる色の情報が欲しい時もあるなど両方の測量方法が欲しいということも多いかと思います。

そこで便利なのが、当社が提供するレーザードローン「mapry M1」です。

カメラを装備した大型ドローン「DJI Matrice350」に当社のレーザー「mapry LA01」を搭載することで、写真測量とレーザー測量の双方が可能な製品です。

価格も安く、ドローンとレーザーのセットで245万円(税抜、バッテリーや保険などの費用も別途)とレーザー測量に使われるドローンよりもはるかに安い金額でサービスを受けることが可能です。

※レーザー部分単体では81.2万円(税抜)での販売

データの解析は付属のソフトにてDTM(地形モデル)やDSM(表層モデル)の作成、樹頂点および単木単位の樹高の算出が可能です。

さらに地上LiDAR LA03とセットで用いることで森林資源情報(1本1本の樹高・胸高直径・樹種)を取得し、Jクレジットの登録にも活用することができます。(詳しくはこちら

ドローンによる森林資源管理や地形情報の取得、土地造成の現状把握などを行う際には便利なサービスなので、興味がある方はぜひともこちらよりアクセスしてみてください。

参考文献

DRONE PILOT AGENCY株式会社「ドローンによる3次元測量|手順やメリット・デメリットを解説」https://dronepilot.co.jp/survey-drone/ (2024年11月7日参照)

株式会社WorldLink & Company「ドローンによる写真測量とレーザー測量の違いとは。それぞれの特徴と向いているシチュエーション」2023年7月10日https://skylinkjapan.com/blog/photogrammetry-vs-laser-scanning/ (2024年11月7日参照)

株式会社ACSL「ドローンのレーザー測量とは?レーザーの種類やメリット・デメリットを解説」2023年12月5日 https://product.acsl.co.jp/useful/post-1996/ (2024年11月7日参照)

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