【森の息吹を感じよう】夏の山で楽しめる樹木5選!見分け方も解説
コラム

【森の息吹を感じよう】夏の山で楽しめる樹木5選!見分け方も解説

多くの樹木が盛んに活動し、森の息吹を感じられるのが夏の山です。

普段から山で作業するという方でも景色が当たり前になっていることも多く、「何か夏の山で楽しめる木々はないかな?」「見つけて楽しめる樹木の見分け方を知りたいな」などと考えている方もいるでしょう。

本記事では、夏の山で楽しめる樹木を5つ紹介します。

見分け方も紹介するため、何気なく訪れている山林でも木々を楽しめるよう、ぜひ参考にしてください。

夏の山の特徴

夏の山は樹木が青々と生い茂り、緑の力にあふれています。

山は平地よりも標高が高いことも多く、市街地よりも比較的涼しく感じられる場所です。

多くの樹木や草花が生い茂り、花や実をつけています。

ぜひ、近くの樹木を観察してみましょう。

夏の山で楽しめる樹木や花5選

夏の山で楽しめる樹木や花には、以下の5つがあります。

  1. 朴木(ホオノキ)
  2. 槐(エンジュ)
  3. 楤木(タラノキ)
  4. 山紫陽花(ヤマアジサイ)
  5. 栗(クリ)

ここでは、それぞれの特徴や見分け方を紹介していきます。

1.朴木(ホオノキ)

日本の樹木の中でも大きい分類に入るホオノキは、別名「ホオガシワ」と呼ばれています。

樹高・幹・葉・花のどれをとっても非常に大きく、とくに葉は長さ20〜50cm、幅10〜25cmほどの大きさに成長します。

7つに分かれた葉はとりわけ大きく山でも目立つため、比較的簡単に発見できるでしょう。

幹の表面は凹凸が少なく、つるんとしています。

ホオノキは6月頃に開花し、花の寿命は3日間ほどです。

開花している期間が短いため、もし花を見つけられたら貴重な体験ができたといえるでしょう。

ホオノキは万葉集にも出てくるような古くから日本に生えている樹種です。

夏の山で、ホオノキの大きさを体感してみると良いでしょう。

【ホオノキの特徴】

別名ホオガシワ
大きさ樹高:20〜25m 幹:〜50cm 葉の長さ:20〜50cm 花:〜15cm
開花の時期5〜6月
用途葉:味噌や寿司を包む幹:げたの歯(地面と接する所)の部分や家具
見分け方幹はツルツルしている葉は大きく7つに分かれている花や葉に香りがある
ホオノキの葉を使った「ホオノ葉寿司」

2.槐(エンジュ)

花の色は薄い黄色をしていて、薬草としても効果があるとされているのがエンジュの木です。

小さくまとまった花を数多く咲かせます。

枝先にまとまって開花するため、煙が立ち昇ったようにも見えます。

エンジュは中国では縁起の良い木とされていて、自生している数はそう多くありません。

現在では庭木や街路樹として植えられています。

夏のエンジュは開花シーズンのため、山林を探してみてはいかがでしょうか。

【エンジュの特徴】

別名カイジュ・キフジ・ミモザ
大きさ樹高:10〜20m 葉:3〜5cm 花:1〜1.5cm
開花の時期7〜8月
用途材:彫刻・細工物・建築用装飾材・楽器
見分け方卵型の葉っぱが4〜7対ついていることや、樹皮が縦に裂けていることで見分ける。

3.楤木(タラノキ)

夏はタラノキの花が満開に咲きます。

自分の山であれば、生えている場所を覚えておき、春に山菜取りに出かけてみるのも良いかもしれません。

山菜として有名なタラノメはタラノキの若芽です。

タラノメ



6〜8月に開花し、円錐状に大きく広がります。

枝分かれは少なく、1本立ちする幹は一面に鋭いトゲがあります。

また、似たような種類の木に「ハリギリ」があります。

タラノキと同様に幹にトゲがちりばめられているのが特徴です。

ハリギリよりもタラノキの方がトゲは小さいため、比較的簡単に見分けられるでしょう。

また、ハリギリの葉は大きなカエデ状の形をしていて、5cmほどの小さな葉がつくタラノキと区別できます。

【タラノキの特徴】

別名タランボ・ウドモドキ
大きさ樹高:2〜6m
開花の時期6〜8月
用途若芽はタラの芽と呼ばれ食用にされる。天ぷらが代表的。
見分け方幹に多くのトゲがついていることで見分けられる。

タラノキは伐採跡地などの、ヤブなどで数多く見つけられます。

夏の時期はヤブにハチが潜んでいる可能性もあるため、十分気をつけて散策しましょう。

4.山紫陽花(ヤマアジサイ)

ヤマアジサイは山林の中でも沢目などの湿った場所に生えており、夏に花を咲かせる植物です。

庭木として植えられているガクアジサイよりも全体的に小ぶりなものの、群生しているケースもあり、十分に花を観賞できます。

他のアジサイと同様に色が多様で、白色や青色、紫色などが見られるのも特徴です。

ヤマアジサイを見分けるには、葉が薄く光沢が少ないかどうか、葉先が細長くとがっているかどうかで判断します。

普段見かけるアジサイとの違いを楽しんでみてはいかがでしょうか。

【ヤマアジサイの特徴】

別名サワアジサイ・コガク
大きさ樹高:1〜2m
開花の時期6〜7月
用途観賞用として庭木や公園などにも植えられている。
見分け方アジサイの中でも葉が薄く、光沢が少ない葉先はとがっている

5.栗(クリ)

秋に実を採取して楽しめるクリの木は、夏が花の最盛期です。

クリは花のむせるような匂いが特徴で、稲穂のように枝から垂れ下がる花は、山林の中でも大きくて目立ちます。

木そのものも大きく、自生している数も多いため、発見するのは比較的簡単です。

成長が進んでいれば、青く小さいイガグリを発見できるときもあります。

クリの木を見つけたら、イガグリがないか目を凝らして探してみましょう。

【クリの特徴】

別名シバグリ・ヤマグリ
大きさ樹高:15〜20m
開花の時期6〜7月
用途建物の土台や橋りょうなど
見分け方雄花から出るむせるような匂い小さなイガグリがついている

まとめ

夏の山は春先よりも緑の力強さを感じられます。

今回紹介した、ホオノキ・エンジュ・タラノキ・ヤマアジサイ・クリは、夏でも見て楽しめる植物です。

夏の山林を見回して、ぜひ探してみてください。

この記事が、夏の山を楽しむための参考になれば幸いです。

参考資料
金田初代・金田洋一郎 著「葉・花・実・樹皮でひける 樹木の辞典600種」.西東社出版.2015.p132.164.174.193.270

緑ある住環境を考えるブルーミングスケープ.ヤマアジサイとガクアジサイの見分け方(違い)2017.02.0https://www.bloom-s.co.jp/bloom-blog/2017/index0202.html(2024年6月12日取得)