【mapry活用講座】森林境界の合意形成 | 森林テック
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【mapry活用講座】森林境界の合意形成

森林を整備・活用するためには森林境界を明確にすることが大切です。

しかし森林所有者の高齢化や公図の精度の問題から地籍調査が進まず、林地の半分以上の森林境界が不明になっています。

実際に森林を所有していても、「どこからどこまで自分の土地なのかがあやふやだ」という方も多いのではないでしょうか。

国土交通省は森林境界の明確化を効率的に進めるため、リモートセンシングを活用し現地立ち合いを省略する手法を認めています。

この記事では、弊社が開発するmapryGISやLiDAR製品を利用して効率的に森林境界の合意形成をする方法をお伝えします。

森林境界の合意形成の手順

リモートセンシングデータ・GISを利用した森林境界の合意形成の手順は以下のとおりです。

  1. 計画・準備
  2. 所有者の探索・周知
  3. GISやリモートセンシングを利用した境界推定図の作成
  4. 森林境界案を作成
  5. 森林所有者の合意を得て森林境界を確定

それぞれ解説します。

1.計画・準備

まずはスケジュールの作成やGISを利用できる環境の準備、森林経営計画の確認などを行います。

2.所有者の探索・周知

戸籍、住民票、課税台帳等の資料を収集して、隣接する所有者の探索を行います。

所有者の探索には非常に労力がかかる場合が多いです。

そこで林野庁は、森林所有者を探索する活動を支援しています。

林地台帳、森林簿、登記簿を確認した結果、所有者が不明であった森林を対象に、1haあたり2,500円を交付しています。

詳しくはこちらのリーフレットをご確認ください。

3.GISやリモートセンシングを利用した境界推定図の作成

今までは現地立ち合い、コンパス測量などを経て図面を作成するのが一般的でした。

mapry製品を利用することで、効率的に境界推定図を作成することができます。

詳しくは以下の章にて説明します。

推定図を作成したら現地調査で実際の境界の確認を行います。

4.森林境界案を作成

境界推定図を作成したら、地元精通者(地元の不動産会社)に確認し、森林境界案へと昇華します。

5.森林所有者の合意を得て森林境界を確定

森林境界案を作成したら、対象地域の森林所有者を集会所などに集めて説明会を行います。

GISや現地の写真を元に森林作成案の根拠を説明し、合意形成を行います。

mpryGISでは現地の写真(基準となる立木など)をGIS上に紐づけることができるので、スムーズな説明に役立ちます。

場合によっては現地で立木や沢などの目印の確認を行います。

mapryGISを利用した境界推定図の作成

mapryGISを活用した境界推定図の作成方法を動画にまとめました。

手順を解説します。

  1. 法務局で地籍図を入手します。
  2. 地籍図をjpgに変換し、該当する座標を選択しmapryGISにインポートします。
  3. 地籍図に座標ポイントを2点、GISの地図上にも同様の座標ポイントを2点置きます。
  4. グループを選択し、作成を押すとGIS上に地籍図を投影できます。
  5. 「作成」から「ポリゴン」を選択し、地番の境界をなぞります。
  6. GIS上にポリゴン(境界)が設置されます。

地籍図を元に設置した境界(ポリゴン)を軸に、GIS上でオルソ画像や微地形表現図を照らし合わせて境界を推測しましょう。

mapryGISについて詳しく見る

mapryLA03を利用した境界推定・確認

上記の公図、オルソ画像、微地形表現図を読み取っても境界推定が難しい場合があります。

その場合はリモートセンシングデータを使い樹種・植栽時期の違いを読み取ることが必要です。

そこで活躍するのが林内を歩くだけで立木の資源情報を解析できるLiDAR機器、mapryLA03です。

mapryLA03で取得した樹高分布図や地形データを読み取り、境界推定にお役立ていただけます。

また、歩行したルートの動画データも確認できるので、目視の境界確認や机上での合意形成にご活用ください。

mapryLA03について詳しく見る

また、林野庁の支援事業によりリモートセンシングデータを用いた森林境界案の作成には1haあたり20,000円が交付される場合があります。

詳しくはこちらのリーフレットをご確認ください。

GNSSを利用した現地調査

作成した境界推定図と現地を状況を照らし合わせるため、現地調査を行います。

現地では座標値を取得するためGNSSを利用します。

境界の基準となるもの(立木や沢)の写真と座標値でしっかり記録します。

「R1」はiPhone/iPadを使ってこれまでの測量機器と同等の性能を発揮するGNSS受信機です。

現地調査・測量にお役立てください。

R1について詳しく見る

なお、GNSSを利用した境界の測量は地籍調査で活用できる可能性があるので、支援金が出る場合があります。

詳しくはこちらのリーフレットをご確認ください。

まとめ

森林境界の合意形成方法についてご理解いただけたでしょうか。

森林を活用するには「森林境界の明確化」を早急に進める必要があり、その際に役に立つのがリモートセンシング・森林GISです。

上手に活用して効率的に森林境界の合意形成を行いましょう。

参考資料

林野庁.「森林境界の明確化の概要」.2023.8.https://www.rinya.maff.go.jp/j/sin_riyou/koufukin/attach/pdf/index-90.pdf(2024.4.10取得)

林野庁「森林境界の明確化を応援します」.https://www.rinya.maff.go.jp/j/sin_riyou/koufukin/attach/pdf/index-40.pdf(2024.4.10取得)

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