ツール活用

測量現場の効率をUPする「3周波GNSS」とは?

  • 2025.11.21
  • 森林テック編集部
3周波GNSS

GNSSレシーバーが現場にもたらすメリットについては、以前の記事でご紹介しました。GNSSの基本原理やGPSとの違いなど、基本的な知識についてはこちらをご覧ください。

【GIS基礎知識】GNSSとは?主要な衛星群やGPSとの違いを解説

今回は、その一歩進んだお話です。上空視界の悪い山間部や、木々が生い茂る境界付近など、これまで「測りにくい」とされていた現場で、測位精度と作業効率を劇的に向上させる「3周波受信」に焦点を当てます。現場のプロが選ぶべき基準や、最新技術がもたらすメリットをわかりやすく解説します。

測量の「壁」を破る3周波GNSS

測位を邪魔する「現場の課題」とは

私たちが森林などでGNSSレシーバーを使うとき、測量の精度を下げてしまう大きな原因が二つあります。これは森林を始め、条件の悪い測量現場全般に共通する課題です。

  1. 信号の遮蔽(さえぎり)と減衰:木々の葉っぱや枝、建物などが、空にある衛星からの電波を遮ってしまい、レシーバーに信号が届きにくくなります。
  2. マルチパス現象:信号が葉や地面に反射して、正しい信号と一緒にレシーバーに届いてしまう現象です。

これまでのGNSSレシーバーの多くは、主に2種類の電波(2周波)を使って計算していましたが、信号が弱くなったり、反射されたりすると、正確な位置を把握するのが難しくなっていました。

マルチパス現象

マルチパス現象とは、GNSSレシーバーに、衛星からの直接の信号だけでなく、樹木や建物で反射した信号も届いてしまう現象です。この反射信号が誤差の原因となり、特に樹冠の密度が高い森林内では、測位の精度が大きく低下します。イメージはプールで音声が反響するように、信号が反響し、正しい位置を認識できなくなる状態です。

3周波受信で「より多くの情報」を受け取る

そこで登場したのが、3周波GNSSレシーバーです。従来の2種類の電波に加え、3種類目の電波(周波数帯)も同時に受け取って計算に使います。

比較項目2周波レシーバー3周波レシーバーメリット
受信電波の種類L1, L2などL1, L2, L5など測位に必要な情報量が大幅に増加します。
初期化時間(Fix)環境により時間がかかる衛星情報が豊富で測量がすぐ始められる測量開始までの待ち時間を短縮できます。
測位安定性樹冠下で精度が落ちやすい途切れにくく、安定して精度を維持悪条件下での測量効率が格段に上がります。

電波を「面」で捉えるイメージで、一部の電波が遮られても、残りの豊富な電波情報で計算を補完できます。これにより、これまで測量不能(Float/Single)だった場所でも、Fix解を得られる可能性が格段に高まります。

L1、L2、L5周波数帯とは、GNSS衛星(GPSやみちびきなど)が、地上に向けて電波を発信している特定の周波数帯(バンド)のことです。
L1は最も古くから使われ、一般的な測位やナビゲーションに利用されます。L2は主に高精度測位(RTK)の誤差補正に使われてきました。そしてL5は、最新の衛星が発信している新しい信号で、より高い精度と安定性を実現するために使われます。

3周波が測量現場にもたらす効果

マルチパスへの「強さ」が大幅アップ

マルチパス現象は、測量の正確さを落とす最大の敵です。

3周波レシーバーは、複数の電波を同時に使って測位を行うため、例えばL1とL5という異なる電波の到達時間を比較することで、信号のズレ(反射による誤差)を細かくチェックできます。

測位の安定性(Fix率)がアップ

測量現場で最もストレスなのは、「一度Fixが切れると、再Fixまで長時間待たされること」ではないでしょうか。 

3周波GNSSは情報量が多いため、Fixまでの時間が短く(初期化時間の短縮)、かつ一度Fixしたら多少の障害物があっても粘り強く精度を維持します。

RTK測位とは、Real Time Kinematicの略で、GNSSレシーバーが受信した信号の誤差を、正確な場所(電子基準点など)からの補正データを使ってリアルタイムで修正する技術です。これにより、数センチメートル級の超高精度な測位が可能になります。森林での境界確定など、高い精度が求められる作業に必須です。

3周波GNSSレシーバー選定の3つの重要ポイント

GNSSレシーバーを選ぶときは、「3周波」であることのほかに、現場で使い倒せる「実用性」をチェックしましょう。

1. 現場の過酷さに耐えうる「機動性」

  • 重量とサイズ: 測量士や作業員が山で長時間持ち運ぶため、できるだけ軽くてコンパクトなものが望ましいです。重さは作業効率の低下に直結します。
  • 取り付けへの対応汎用性の高い取付穴(三脚・マウント取付可)が付いていると便利です。これはカメラの三脚などと同じ規格で、市販の安価なマウントやポールを使って、三脚や林業機械、リュックサックなどにも柔軟に取り付けられるため、機材の活用の幅が大きく広がります。

2. 測量作業を止めない「バッテリー寿命」

現場にはコンセントがありません。レシーバーは、現場で丸一日使えるバッテリーを搭載していることが理想的です。予備バッテリーの有無や、モバイルバッテリーで充電できるかどうかも確認しておきましょう。

3. 誰でも使える「操作性」と「連携性」

  • 直感的な専用アプリ: 複雑な設定をしなくても、電源を入れたらすぐに高精度測量を始められるシンプルでわかりやすい操作画面であることが大切です。
  • GISアプリとの連携: 取得した正確なデータが、普段使っている森林GISアプリやデータ管理システムへスムーズに送れるかどうかも、作業全体の効率を左右します。

現場の課題解決と「mapry R2」の紹介

「もっと簡単に、でも正確に測りたい」。そんな現場の要望に応えて、このメディアを運営しているマプリィが開発したのが、3周波GNSSレシーバー「mapry R2(マプリィ・アールツー)」です。

mapry R2は、高精度を要求される林業や建設現場での測量のために、上記で説明した最新の技術と現場での使いやすさを両立させて開発されました。

  •  3周波GNSS搭載:
  •  軽量・コンパクト設計: 重量は約270gと非常に軽く、山の中を歩き回る作業員の負担を大幅に軽減します。

mapry R2の真価:統合されたデータ連携力

mapry R2の最大の強みは、単なる高精度レシーバーとしてだけでなく、mapryサービス全体と連携して機能することです。

取得した高精度な位置情報は、mapryが提供する以下のハードウェアやソフトウェアとスムーズに連携し、測量からデータ管理までを一気通貫で行うことが可能です。

  1. LiDARとの連携で3Dデータ化も自在に: mapry R2は、LA03-1(背負式LiDAR)やLA01-2(ハンディLiDAR)といったLiDARスキャナーの正確な位置情報(ジオタグ)取得に活用されます。GNSS情報とLiDARスキャンを統合することで、正確な位置情報を持つ3D点群データを作成できます。

  1. mapryサービスでデータ管理を統合:R2で取得したGNSSデータや、連携ハードウェアで取得した点群データは、mapryのサービス点群解析ソフトやGISと統合してスムーズに管理できます。これにより、現場で測ったデータがすぐに解析・図面化され、森林経営計画や施業履歴の管理に直結します。

「なかなかRTKのFixが安定しない」「重い機材を持って山に入るのが大変」といった現場の悩みを、mapry R2はその高い技術力とユーザーフレンドリーな設計で解決します。

まとめ

3周波GNSS技術は、森林をはじめ、あらゆる測量現場の「見えない壁」を取り払い、高精度測量をより身近でスムーズなものに変えます。

この最新技術を取り入れ、現場での使いやすさを追求したmapry R2は、スマート林業を推進する上で役に立つツールです。

山林での測量効率を劇的に向上させたいとお考えの方は、ぜひ一度、mapry R2をご検討ください。

 mapry R2の詳細はこちらhttps://service.mapry.co.jp/r2/

参考文献

国土地理院 「GNSS測位とは」https://www.gsi.go.jp/denshi/denshi_aboutGNSS.html(閲覧日:2025年11月21日)

内閣府宇宙開発戦略推進事務局「用語集」みちびき(準天頂衛星システム)https://qzss.go.jp/glossary/index.html (閲覧日:2025年11月21日)

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