作業道作設の路網計画について手順やポイントを解説〜路網計画編〜 | 森林テック
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作業道作設の路網計画について手順やポイントを解説〜路網計画編〜

高性能林業機械が力を発揮するには「作業道」が林内に作設されていなければなりません。

作業道はいきなり作り始めるのではなく、路網計画を練り施工につなげていく必要があります。

しかし、路網計画といっても、何を念頭に置いて計画を立てるべきかわからない人もいることでしょう。

そこで本記事では、作業道の概要や路網計画の手順、路網計画作成のポイントを紹介します。

路網計画のおおまかな流れをつかむためにぜひご活用ください。

作業道とは

作業道は山林中に作られる、林業で使うための道の1つです。

ここでは、作業道の役割や類語である「森林作業道」との違いについて解説していきます。

作業道の役割

作業道は、林業における伐採搬出作業や再造林(木を切って植えること)などで使うために作られる道です。

現場で切った丸太をトラックが出入りできるところまで搬出したり、苗木を運んだり、ときには現場作業員の歩く道としても活用されます。

道の配置次第では現場全体の作業効率が変わってくるため、林業において作業道の果たす役割は大きいと言えます。

作業道と森林作業道の違い

作業道と似たような言葉に「森林作業道」があります。

森林作業道は国が示す「森林作業道作設指針」によって規格などが定められており、同指針では森林作業道を以下のように表現しています。

森林作業道とは、間伐などによる木材の集材及び搬出並びに主伐後の再造林等の森林整備に継続的に用いられる道である。

林野庁「森林作業道作設指針」第1趣旨2森林作業道

多くの現場では森林作業道のことを単に作業道と表現しているため、林業における作業道は基本的には森林作業道を示していると捉えて良いでしょう。

ただし、皆伐作業(林内の木を全て切ること)時に作設する作業道では、作業効率を求めるあまり森林作業道の規格に達しない作業道も見受けられます。

その場合は、作業道と森林作業道は区別して考える必要があるでしょう。

作業道作設のおおまかな手順

作業道の作設は以下の手順で進められます。

  1. 路網計画の作成
  2. 現地踏査
  3. 施工
  4. 管理

まずは作業道を作設する予定箇所の山の傾斜から、選択する作業システムを検討し路網計画を立てます。

その後は計画どおりの作設が可能かどうか、実際に現地へ行き作設予定箇所を歩いてみることが重要です。

岩場や湧水箇所などを避け路網計画を練り直し、実際の現場施工へ入る流れで作業道の作設は進みます。

作業道が使用された後は補修などを行い、次回の作業時にも使えるように管理します。

路網計画の手順

作業道の路網計画は以下の手順で進められます。

  1. ルート選定
  2. 現地踏査
  3. 路線図の作成

現地踏査により通行が困難な場所を発見した場合には、その都度ルート選定と現地踏査を繰り返し行います。

山は切り開いてしまうと元には戻せないため、十分な路網計画を練る必要があります。

それぞれの工程について詳しく見ていきましょう。

ルート選定

山のどこに作業道を通すのかを考えるのがルート選定です。

予定される作業システムによって路網の密度を決定しルートを選定します。

選定には主にGISなどを用いて等高線を読みとり、危険な場所を避けて配置します。

GISは、コンピューター上で様々な地理空間情報を重ねて表示するシステムのことです。

詳しくは「森林GISとは?-活用方法や利用できるサービスを紹介」の記事をご覧ください。

また、作業道の路線の中には重機がすれ違う場所や、伐倒木を集めて造材する作業場所の確保が必要です。

いずれの場所も、作業道よりも幅員が必要になるため、斜面の緩い場所に設置します。

搬出と造材作業の両方の観点からルート選定を行います。

現地踏査

ルート選定で決定した作業道の作設予定箇所を、実際に歩いてみるのが現地踏査です。

机上では発見できなかった岩場や湧水箇所を見つけるために行われます。

GIS上ではなだらかに見えても、現地に行ってみると急傾斜地である場合はよくあります。

もしくは、フクロウの巣などがある場合には、自然環境保護の観点から迂回の検討が必要なときもあるでしょう。

設定したルートに問題がなければ、実際に路線図を作ります。

路線図の作成

現地踏査を終え問題がない場合は、路線図を作り作業道作設のオペレーターに渡します。

現地踏査の際に発見した危険箇所を迂回するなど、計画の変更点も盛り込んで路線図を作成しましょう。

現地踏査のときに丁寧に測量まで行っている場合は、土量計算や縦断勾配を出すことも可能です。

オペレーターが作業道の作設に精通していれば、土量や縦断勾配が示された路線図は施工の際に非常に役に立つ資料となります。

また、支障となる立木を切るチェーンソーマンがいる場合は、伐倒者にも路線図を渡すことを忘れてはいけません。

路網計画者やオペレーター、チェーンソーマンが同じ目標に向かって仕事をするためには、作業道作設に関わる人全員に路線図を配ることが大切です。

路網計画におけるポイントは湧水箇所の見極め

路網計画におけるポイントは湧水箇所を見極め、避けて通ることです。

どんなに作業道作りが上手なオペレーターでも、水の処理を誤ると作業道の質は落ちてしまいます。

最悪の場合は作業道が崩落し、死亡事故につながる可能性もあります。

ルート選定と現地踏査の段階で湧水箇所を発見できたら、そこは避けて通るのが丈夫で長持ちする作業道を作るコツです。

まとめ

作業道作設は伐採搬出作業だけではなく、のちの造林作業にも影響する重要な工程です。

そのため、路網計画や現地踏査を念入りに行い、コストの面でも作業効率の面でもベストな道を選びます。

急傾斜地や湧水箇所を避けることで、崩壊の起きにくい長持ちする作業道の作設が可能です。

そのためには、ときに現地調査を何度も行い、適切なルート選定に注力しましょう。

今回の記事が、作業道の路網計画を知る機会となってもらえれば幸いです。

参考資料

林野庁.森林作業道作設指針https://www.rinya.maff.go.jp/j/seibi/sagyoudo/attach/pdf/romousuisin-2.pdf(2024年4月1日取得)

林野庁.森林作業道作設指針の解説https://www.rinya.maff.go.jp/j/seibi/sagyoudo/attach/pdf/itakukouhyou-5.pdf(2024年4月1日取得)

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