高性能林業機械とは?代表的な機種4つと活躍する場面を紹介
森林・林業知識

高性能林業機械とは?代表的な機種4つと活躍する場面を紹介

林業の伐採搬出作業において、驚くべき力を発揮するのが「高性能林業機械」です。

聞いたことがある林業関係者の方も多いとは思いますが、「実際はどういった機械を指すの?」「代表的な機械の特徴はなんだろう?」など、高性能林業機械に対する疑問点はあるかと思います。

そこで本記事では、高性能林業機械の概要や代表的な機械の特徴、それぞれの高性能林業機械が活躍する場面を紹介します。

高性能林業機械を知るための参考にしてください。

高性能林業機械とは

林野庁によると高性能林業機械は以下のように表現されている機械です。

高性能林業機械とは、従来のチェーンソーや刈払機等の機械に比べて、作業の効率化、身体への負担の軽減等、性能が著しく高い林業機械です。

引用元:林野庁「高性能林業機械とは

伐採搬出の現場では以前から重機を利用してきましたが、高性能林業機械が普及したことで作業効率が大幅に向上しました。

林野庁が全国を対象とした毎年行っている調査によると、令和4年度現在の高性能林業機械の保有台数は12,600台を超え、普及が進んでいる様子が伺えます。

参照元:林野庁「高性能林業機械の保有状況

代表的な高性能林業機械を紹介!

高性能林業機械の中で代表的なものは以下の機械が挙げられます。

  • ハーベスタ
  • グラップル
  • フォワーダ
  • ウルトラザウルスロボ

それぞれの高性能林業機械について、特徴と活躍する場面を見ていきましょう。

ハーベスタ

出典:林野庁「高性能林業機械とは

伐採搬出作業の中ではじめに行われるのが伐採作業です。

ここでは、ハーベスタの特徴と必要な場面を紹介します。

特徴

ハーベスタは伐倒・枝払い・玉切り・集積の作業ができる高性能林業機械です。

ハーベスタ1台あれば伐採作業のほとんどをこなせます。

そのため、その他の機械として運搬車だけあれば、伐採搬出に必要な機械は足りてしまう現場もあるほどです。

林業の現場において危険な作業とされる「伐倒作業」を機械によって行えるため、安全面への貢献も大きい高性能林業機械といえます。

ただし、急傾斜地では作業道から外れての作業はできないため、伐倒の際にはチェーンソーマンが必要です。

活躍する場面

ハーベスタが活躍する場面は以下の通りです。

  • 伐倒
  • 造材

ハーベスタによって伐倒を行ったあとに、伐倒木を作業道まで引き寄せられます。

ある程度伐倒木がたまったのちには造材作業の場面でも活躍するでしょう。

本来の目的とは異なりますが、造材した丸太を運搬車に積み込む作業も可能です。

1台あると様々な場面で活躍できるのがハーベスタです。

グラップル

出典:イワフジ工業株式会社「グラップル

伐倒された木や造材された丸太をつかんで動かせるのがグラップルです。

ここでは、グラップルの特徴と活躍する場面を紹介します。

特徴

林業機械の中でも多くの作業をこなせるのが特徴で、以下のような作業を行えます。

  • 木寄せ
  • 玉切り(チェーンソーマンと一緒に行う)
  • はい積み(丸太を積むこと)
  • 運搬車への積み込み
  • 荷下ろし
  • 枝条処理(枝の片付け)

アタッチメント部分(本体部分)は360°旋回するトングのような形状をしています。

加えて、ハーベスタなどのようにアタッチメント部分はぶら下がっておらず固定式のため、パワフルな作業が可能です。

そのため、木寄せ作業から運搬車への積み込みなど、多くの役割をこなせる特徴があります。

近年では、チェーンソーの付いたグラップルの改良版も出ていて、ハーベスタなどでは造材しにくい雑木の玉切り作業などができます。

活躍する場面

グラップルが活躍する場面は以下の通りです。

  • 伐採搬出作業全般
  • 一貫作業システムにおける地拵え作業

グラップルは木材伐出現場においては、活躍の場が広い高性能林業機械です。

また、多くの枝条をつかんでまとめられるため、一貫作業システムにおける地拵え作業時にはとくに活躍できるでしょう。

フォワーダ

出典:林野庁「高性能林業機械とは

フォワーダは主に木材の運搬とはい積みが行える高性能林業機械です。

ここでは、フォワーダの特徴と活躍する場面を紹介していきます。

特徴

フォワーダは、丸太を積める荷台とクレーン式(ぶら下がっている状態)のグラップルが付いているのが特徴です。

そのため、フォワーダ単体で丸太の積み込みや搬出、はい積みが行えます。

以前は運転席が露出していて冬は作業環境が厳しかった機械です。

しかし、現在はエアコンの効いた空間で作業できるタイプのフォワーダも開発されており、作業環境が改善されています。

活躍する場面

フォワーダが活躍する場面は以下の通りです。

  • 丸太の運搬
  • 丸太の積み下ろし

主に丸太の運搬と積み下ろしが活躍する場面です。

例外的な使い方ではありますが、荷台にあおりを付けることで土砂や雪、枝葉なども運搬できます。

林業現場で運搬作業するのであれば、フォワーダが活躍するでしょう。

ウルトラザウルスロボ

出典:松本システムエンジニアリング株式会社「ウルトラザウルスロボ

ウルトラザウルスロボ(以下、ザウルスロボ)は松本システムエンジニアリング株式会社で開発された高性能林業機械です。

ここではザウルスロボの特徴と活躍する場面を紹介していきます。

特徴

ザウルスロボの特徴は以下の通りです。

  • 土砂掘削用のバケットが付いている
  • アタッチメントによって丸太を容易につかめる
  • グラップルに似た使い方ができる

土砂掘削用のバケットを用いた作業道の開設が、ザウルスロボの基本的な役割です。

さらに、作業道開設の支障となる立木も、つかんで作業道のわきに寄せられます。

従来の作業システムにおいて作業道開設は、土砂掘削ができるバックホーと、木を寄せるグラップルをセットにして運用していました。

ザウルスロボであれば1台で済むため、スムーズな作業道開設が可能です。

活躍する場面

ザウルスロボが活躍する場面は以下の通りです。

  • 作業道開設
  • 木寄せ
  • 丸太の積み込み
  • 作業道の補修

ザウルスロボが活躍する場面は作業道開設です。

しかし、グラップルの代わりとしても使えるため、木寄せ作業や丸太の積み込み作業もできる万能型の高性能林業機械がザウルスロボです。

バケットによって砕石をすくうことも容易なため、作業道の補修においても活躍できます。

まとめ

今回紹介した高性能林業機械の役割を表でまとめました。

*ただし、チェーンソーなしグラップルと、ウルトラザウルスロボでの造材はチェーンソーマンが必要です

一般的な伐採搬出現場において、なくてはならない存在となっている高性能林業機械。

今後もさらなる改良が期待され、より効率的な作業ができるようになるでしょう。

林業の華やかな部分を見られるのが高性能林業機械です。

今回の記事が高性能林業機械を知る機会となってもらえれば幸いです。

参考資料

林野庁.高性能林業とは.https://www.rinya.maff.go.jp/j/kaihatu/kikai/kikai.html(2024年3月25日取得)

林野庁.高性能林業機械の保有状況.https://www.rinya.maff.go.jp/j/kaihatu/kikai/daisuu.html(2024年3月25日取得)

イワフジ工業株式会社.製品情報.林業機械.グラップル.http://www.iwafuji.co.jp/products/forest_gs.html(2024年3月25日取得)

松本システムエンジニアリング株式会社.製品紹介.林業機械.【ウルトラザウルスロボ】.http://matsumoto814.com/16570374336348(2024年3月25日取得)