【日本三大美林の1つ】秋田スギとは?特徴と使用例を紹介
森林・林業知識

【日本三大美林の1つ】秋田スギとは?特徴と使用例を紹介

秋田スギは秋田県を代表する木であり、日本三大美林の1つです。

スギは古くから日本に自生している木ではあるものの、秋田のスギの特徴を知っている人はそう多くないでしょう。

本記事では、秋田スギの特徴や秋田スギの使用例を紹介します。

ぜひ最後までご覧ください。

秋田スギとは?

秋田スギには以下の特徴があります。

  • 日本三大美林の1つ
  • 天然物の秋田スギは「てんすぎ」と呼ばれる
  • スギ人工林面積1位・生産量が第2位を誇る
  • まっすぐに育ち加工しやすい

ここでは、それぞれの特徴について紹介していきます。

なお今回の紹介は、人工林と天然林(人の手が入っていない、または長い間人の手が入った跡のない森林のこと)の両方を秋田スギとしています。

日本三大美林の1つに数えられる

秋田県の「秋田スギ」は、青森県の「青森ヒバ」と長野県の「木曽ヒノキ」と並び、日本三大美林の1つとして数えられています。

日本三大美林は天然林で構成されており、長い年月をかけて大きく成長しているのが特徴です。

なかでも秋田スギは木材としての利用価値や、壮大な景観から観光資源としても捉えられています。

天然ものは「てんすぎ」と呼ばれる

日本三大美林に代表されるような秋田スギは天然林であり、別名「てんすぎ」と呼ばれています。

ひと昔前であれば秋田のスギといえばてんすぎを指していて、貴重な資源として利用されてきました。

すでに多くのてんすぎは伐採されていて、現在残っているてんすぎの生息地は、米代川流域を中心とした秋田県北部に集中しています。

平成24年でてんすぎの供給は終了していて、希少価値の高い材木といえます。

天然秋田スギの多くは東北森林管理局の管理下にあるため、来訪する場合は一度最寄りの森林管理署に確認してみましょう。簡単に見学できる場所もあり、てんすぎを直接観賞できます。

スギ人工林面積1位・生産量日本2位を誇る

日本で一番、スギ人工林の面積が多いのは秋田県です。

スギ人工林面積 ※平成24年
第1位:秋田県 367,469ha
第2位:宮崎県 239,113ha
第3位:岩手県 202,871ha
出典:林野庁「都道府県別スギ・ヒノキ人工林面積」

秋田のスギ人工林は、日本三大美林に数えられる天然林とは異なり、1970年以降に「年間1万ha造林推進県民運動」によって、人の手で植えられた人工林です。

秋田県は生産量も日本で第2位となっており、県を代表する木となっています。

その多くは伐期(切るのに適した時期)を迎えており、現在では秋田市沿岸部の製材工場を中心に丸太として出荷されています。

まっすぐ育ち加工しやすい

秋田スギの木材としての価値は、まっすぐ育ち狂いが少なく加工しやすいことが挙げられます。

とくにてんすぎは、木目が細かいことから、より特長が際立っています。

そのため、古くから建築用材や高級内装品、天井の板などに使われてきました。

なかでも秋田スギを使った「曲げわっぱ」や「桶・樽」などが有名です。

スギ特有の香りと相まって、秋田を代表する価値の高い民芸品となっています。

木目が細かくまっすぐな柾目

秋田スギの使用例

秋田スギは以下の用途で使われています。

  • 建築用材
  • 曲げわっぱや秋田杉桶樽

ここでは、それぞれがどのように使われているか、詳しく紹介していきます。

建築用材

秋田スギを用いた建築用材は、加工のしやすさと木目の美しさからさまざまなところで使われています。

例えば、秋田駅にあるバスターミナルでは、秋田スギがふんだんに使われています。

秋田駅バスターミナル

見た目のぬくもりを感じてもらうために、内装材として使われていることが多いのも秋田スギの特徴です。

2022年6月にオープンした「あきた芸術劇場ミルハス」では、さまざまなところに秋田スギが用いられています。

内装部分をはじめ、秋田スギの木目をつけたコンクリートなど、秋田スギの魅力が感じられる場所になっています。

秋田スギにはどのような用途があるのか知りたい方にとって、ミルハスはおすすめできる場所です。

秋田スギをふんだんに使った大ホール 出典:あきた芸術劇場ミルハス ホームページ

曲げわっぱや秋田杉桶樽

秋田県では、「大館曲げわっぱ」と「秋田杉桶樽(あきたすぎおけたる)」が伝統的工芸品に指定されていて、素材には秋田スギが使われています。

どちらも平安時代から使われていたとされており、古くから作られてきました。

秋田スギの特徴である美しい木目と香り、木材の狂いの少なさを生かして作られているのが特長です。

大館曲げわっぱはお弁当箱として人気があり、丁寧に手入れをすると一生使えるといわれています。

大館曲げわっぱ 出典:Amazon

秋田杉桶樽は、ごはんを入れるためのおひつや酒樽などとして使われています。

節のない柾目(まさめ)の材が使われていて、きれいな木目が見られるでしょう。

柾目とは丸太を切断したときの断面の1つで、模様がまっすぐで調湿機能があるといった特徴があります。

秋田桶樽 出典:秋田県産業労働部地域産業振興課「あきたの伝統的工芸品 手しごと秋田」

まとめ

秋田スギには天然林と人工林があり、どちらも秋田を代表する木です。

天然ものの秋田スギは「てんすぎ」とも呼ばれ、日本三大美林に数えられています。

加工のしやすさや木目の美しさから、建築用材や秋田の伝統的工芸品にも使われています。

大館曲げわっぱや秋田杉桶樽では、柾目を生かした製品が暮らしの中に溶け込んでいます。

秋田県では秋田スギのアピールが盛んなため、さまざまなところで秋田スギを見られるでしょう。

秋田に行く際には建材として使われている秋田スギを探してみたり、日常でもぜひ秋田スギの使われている製品を使ってみてください。

参考資料

東北森林管理局.「日本三大美林について」.(2024年6月22日取得)

秋田県.「お宝発見ハンドブック」.(2024年6月22日取得)

東北森林管理局.「天然秋田杉の紹介」.(2024年6月22日取得)

林野庁.「都道府県別スギ・ヒノキ人工林面積」.(2024年7月3日取得)

一般財団法人秋田経済研究所.「秋田県林業と現状の課題」.(2024年6月22日取得)

経済産業省東北経済産業局.「東北の伝統的工芸品」.(2024年6月22日取得)

Amazon.com.「大館工芸社 秋田杉 曲げわっぱ」.(2024年6月22日取得)

秋田県産業労働部地域産業振興課.「あきたの伝統的工芸品 手しごと秋田」.(2024年6月22日取得)