帯広畜産大学と農研機構 北海道農業研究センターは、エゾヤマザクラの実(サクランボ)を分離源とするパン酵母を開発しました。
この酵母は「とかち野酵母」という名称で商品化され、日本甜菜製糖株式会社よりドライイーストとして製造・販売されています。
しっとり感がすぐれたパンに焼きあがることが特徴で、北海道・十勝の地元産をアピールする原料としても活用されています。
エゾヤマザクラとは
エゾヤマザクラ(オオヤマザクラ)は、北海道に自生するバラ科サクラ属の落葉広葉樹です。
北海道でよくみられるサクラであり、山に自生する他、街路樹や公園などに広く植栽されています。
4月末~5月上旬のゴールデンウイークの時期に開花します。
とかち野酵母の特徴
酵母は糖をアルコールと炭酸が図に分解する微生物のことで、果物の表面や樹液など自然界の様々なものに生息しています。
自然界から分離する酵母菌株の多くはパンを作るのに十分な発酵が得られませんが、エゾヤマザクラから分離した「とかち野酵母」は通常のパン酵母と同様に十分発酵させる性質があります。
また、通常のパン酵母からつくったパンよりもしっとり感が優れているという官能評価を受けています。
参考資料
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/59/1/59_1_1/_article/-char/ja